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『栄光の聖母マリア』 by 堂本印象

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    こんなおおきな作品なのだ。
    そして、そこではすごくちいさい。


    作品名:栄光の聖母マリア
        The Blessed Virgin Mary, Mother Of God In Glory
    画 家:堂本印象
        Insho Domoto
    美術館:大阪玉造教会大阪府大阪市
        Catholic Tamatsukuri Church, Osaka City, Osaka Prefecture


    澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaの著書『女のエピソード』に、細川ガラシャ / Hosokawa Graciaの評伝があります。そこに掲載されている画像は、細川ガラシャ / Hosokawa Graciaと思われる和装の女性が、俯き加減で白い花々を携えているモノなのです。
    その画像の、作品名と作者名とを尋ねて検索した結果に辿り着いたのが本作、と謂う訳です。

    本作は、1963年の制作です。
    画面中央に大きく描かれた聖母子 / Virgin And Childの、左側に佇む男性は吉利支丹大名 / Christian Daimyo福者 / beatusの、高山右近 / Dom Justo Takayamaです。
    そして、その反対側、画面右側に佇んでいるのが細川ガラシャ / Hosokawa Graciaなのです。猶、彼女が携えている白い花は百合 / Lilium聖母マリア / Maria純潔性 / Symbol Of Virginity And Purityの象徴です。

    わたしが細川ガラシャ / Hosokawa Graciaの存在を知ったのはおさないとき、子供向けの伝記本でした。そこに登場する彼女は既に幽閉の身にあり、その死までの短い時季が綴られているのでした。
    だから、わたしにとっての彼女は、殉ずるモノとしての存在です。
    彼女は、おのれの信仰に、おのれの境遇に殉じたのだ、そんな認識がわたしにはあります。それは受動的であって、その時代が求めたモノに応ずるしかすべのない生き方、とも謂えます。

    しかし、澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaのその著書では全く異なる視点をもって、彼女の短い生涯が紹介されているのです。その評伝の題名は『女の主体性と自由を守りぬいた反体制のヒロイン / The Anti-Esblishment Heroine, Who Had Held Fast Womman's Autonomy And Independence』と謂います。
    著者は、なかば逆説を弄ぶようなかたちで次の様に綴るのです。

    「細川ガラシア夫人の悲劇は、封建道徳の犠牲者のそれというよりも、むしろ女の主体性と自由を守りぬいた、反体制のヒロインの悲劇であると言うべきかもしれない」

    著者は、執筆当時に盛んであったウーマン・リブ / Women's Liberation Movementとその活動に身を投じる女性達とを対等視、いや、彼女達よりも遥かに上をいく存在と看做しているのです。そんな著者の認識をさらにだめ押しをするかの様に、その評伝は次の1節で閉じられています。

    「彼女の貞潔、彼女の一夫一婦の理想は、当時の体制に対する唯一の抵抗、ウーマン・リブだったのである」

    下に掲載するのは同じ画家による『最後の日のガラシア夫人 / The Last Days Of Hosokawa Gracia』(English Title Translated By Me)。上の作品と同じ場所に所蔵されていて、その作品の右側に掲げられています。

    "The Last Days Of Hosokawa Gracia" by Insho Domoto

    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:30 * comments(0) * - * -

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