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『自画像』 by ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

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    闇のなかに黒衣の老人の横顔がある。なにをみているのだろう、なにをおもうのだろう。一切は彼が秘めている。彼自身がなにものであるかも、黙されているなかで、右掌に携えた筆が、真実を雄弁に告げている。


    作品名:自画像
        Autorretrato
    画 家:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
        Tiziano Vecellio
    美術館:プラド美術館スペインマドリード
        Museo Nacional del Prado, Madrid, Espana


    1565年から1570年の作品。
    画家、77歳から82歳にかけての作品です。

    すっかり困ってしまったのです。画題を読み、その作品を凝視めてみても、それ以外の事が一切解らないからです。ティツィアーノ・ヴェチェッリオ / Tiziano Vecellioと謂う画家が晩年の自身を描いた肖像画、つまり、とりもなおさずそれは自画像である。それだけの事しか解りません。

    左側を向く老人の横顔で思い出すのは、レッド・ツェッペリン / Led Zeppelinのアルバム『レッド・ツェッペリン IV (Led Zeppelin IV)』でのインナー・スリーブや、タロット・カード (Tarot Cards) の1枚『隠者 (The Hermit)』です。但し、前者はきっと後者をモチーフとしているので、結局はおなじ画題と謂えます。
    そんな老人を自身になぞらえているのでしょうか。

    自画像だからと謂って、この老人が画家である証拠は僅かに、右掌にある筆だけです。左隅にあります。もう少し画面をひいてみる事が出来れば、画家が凝視めているモノを知る事が出来ましょう。
    画布もしくは制作途上にある作品。
    しかし、画家はそれを描かなかったのです。
    描かなくとも解る、もしくは描く必要などないのだ、そんな強いモノを感じる事も出来ましょう。

    ざっくりと画家の評伝を読むと、この当時、画家は肖像画家としてフェリペ2世 / Felipe II de Espanaに仕えていたそうです。と、謂う事は、自身の画業ないしその技術を知らしめる為に描かれたのが本作なのかもしれません。

    (数多くの自画像を遺したレンブラント・ファン・レイン / Rembrandt Harmensz, van Rijnのそれらからの様に、画家自身の生活や境遇、もしくはそこから発生するであろう気概や感興を解読する事は、わたしには難しい。むしろ、そういったモノとは隔絶した作品である様に思えます。)

    下に掲載するのはティントレット / Tintorettoによる『アルヴィーゼ・コルナーロの肖像 / Portrait Of Alvise Cornaro』。1560年から1565年の作品です。
    描かれた人物であるアルヴィーゼ・コルナーロ / Alvise Cornaroは、ヴェネツィア / Veneziaの芸術界に於いてパトロンであった人物です。
    同時代の老人の肖像画と謂う点で、選んでみました。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:39 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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