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詩『夜、化粧室にて:Night, In The Dressing Room』

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    Tに

    まるでまちぶせしていたかの様に、そのひとはそこにいた。屈託なくわたしにほほえみかけ、よるのあいさつをする。もう10数年、あっていない。そんなひとと不意にそんな場所でであう。めのまえにある蛇口からみずはでるにまかせたまま、わたしにはなしかける。至近距離よりももっとちかい。のばしたみぎのてはわたしのかみにふれ、しきりにそこをほめる。うらやましいという。みずみずしいという。わたしはなんてかえしたらいいのか、わからない。あのころのわたしとはもうちがうのだ。だが、そのひとがみているのはそのころのわたしでしかない。しかも、そのひとにとっての、理想形のわたしなのだ。そんなそのひとにいやけをさして、そのひとのいないところへとひきさがったのである。おもいだした。そこへきたじぶんの用もなしえないまま、とびらのそとへとむかう。のこされたそのひとの表情はしらない。まっくらな廊下、暗幕のはざまから街のあかりがみえる。あるおとこがこのビルの壁をよじのぼっている。どこかでサイレンをならしてはしっている。いつもの夜、いつもの街はそこにある。
    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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