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『雪中の狩人』 by ピーテル・ブリューゲル

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    雪の中を歩む猟師と猟犬、彼等が望むのは氷上での遊戯。果たして、彼等の瞳にはどの様なモノとして映えるのか。氷上のヒトビトには彼等の姿はおそらくみえない。ただ、冬の鳥だけが知っている。そして、その鳥の瞳をもって、この光景をみるわたし達も。


    作品名:雪中の狩人
        Jagers in de sneeuw (The Hunters In The Snow)
    画 家:ピーテル・ブリューゲル
        Pieter Bruegel des Alteren (Pieter Brueghel The Elder)
    美術館:ウィーン美術史美術館オーストリアウィーン
        Kunsthistorisches Museum, Wien, Austria


    1565年の作品。

    一見、冬のある光景を描いた作品にみえるのですが、何故か、とても不思議なモノにみえるのです。

    近景として描かれているのは、まっしろな雪におおわれた丘の上にいる猟師達と彼等の猟犬達です。
    その遠景として描かれているのはすっかり凍りついた氷の上で遊ぶヒト達です。その四角いかたちは自然にある池や沼の凍った姿ではなくて、ヒトの掌がはいったモノにも思えます。
    そして、ふたつの光景のさらに向こうには雪化粧をした山々が連なっています。

    何故、不思議なのかと謂うと、近景と遠景がうまく結びつかないのですよ。
    近景の猟師達と猟犬達がむかうのが猟場ならばなんの不思議もないのですが、彼等の向かう先が遠景に描かれた場所なのですから。まさか、そこに遊ぶヒト達をこれから襲撃しようとしている訳もありません。
    だからといって、狩猟からの帰宅の光景と考えると、猟果もなにもないのです。しかも後ろ姿で描かれている彼等の表情は窺い知る事も出来ません。

    この画家の作品に『イカロスの墜落のある風景 / De val van Icarus (Landscape With The Fall Of Icarus)』(15561558年制作)があります。ギリシア神話/ Greek Mythologyイカロス / Icarusの逸話がそこにあるかと思うと、農業に勤しむヒトを近景に描いたある海辺の光景です。イカロス / Icarusはほんの申し訳程度に片隅にちいさくあります。
    その構図と本作が似ているのです。
    この作品にも、申し訳程度のイカロス / Icarusに相応する様なモノが実は描かれているのではないか、ふと、勘ぐりたくもなります。どんなに眼をこらしても、みつかるのは空を舞う鳥達です。イカロス / Icarusの様なへまはしないでしょう。

    ところで、遠景の氷上の描写は、なんとなくグランマ・モーゼス(アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス) / Grandma Moses (Anna Mary Robertson Moses)の作品群を思わせます。そう思って捜してみたら、『水車小屋のある池でのスケート / Skating On The Mill Pond』(邦題は拙訳です。ザ・ミル・ポンド/ The Mill Pondは地名かもしれません)と謂う作品がありました。1950年の作品です。

    下に掲載するのは、ギュスターヴ・クールベ / Gustave Courbetによる『雪中の狩人 ./ Chasseurs dans le neige (Hunters In The Snow (Detail))』(邦題は拙訳です)。1866年の作品です。
    題名こそ同じ趣旨、雪中を歩む猟師達と猟犬達も上の作品と同様に後ろ姿でありますが、果たして、そこに描かれているのは上の作品の近景と通じているモノなのでしょうか。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:42 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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