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『村の祭り』 by ダフィット・テニールス (子)

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    一軒の民家の庭先に、村人達がつめかけ、そこで歌い踊る。それは、春の訪れを悦ぶものだろうか、それとも、秋の実りを寿ぐものだろうか。いずれにしても、そこにあるのは愉しげな顔ばかりである。
    おおきな樹の根元、その手前で組んだふたつの腕を高々と掲げて踊る1組の男女が一際、めをひく。


    作品名:村の祭り
        La casa rustica (Country Celebrations)
    画 家:ダフィット・テニールス (子)
        David Teniers de Jonge
    美術館:プラド美術館スペインマドリード
        Museo Nacional del Prado, Madrid, Espana


    1650年頃の作品。

    わたしが本作品を知った美術評論『プラド美術館の三時間 / Tres horas en el Museo del Prado』(エウヘーニオ・ドールス / Eugenio D'ors1923年初版)には、画家の作品が2点紹介されています。その1点は『レオポルト・ヴィルヘルム大公のブリュッセルにおける美術品コレクション / El archiduque Leopoldo Guillermo en su galería de pinturas en Bruselas』(こちらで紹介済み)で、著者はその作品を「過去と対面している一枚の作品」と語っています。
    そして、その一方にある本作を著者は次の様に評しています。

    「新しい世界の到来を予告している」

    それは本作に溢れる歓喜を指しての事なのでしょうか。
    残念ながら、そうではなさそうです。
    著者は、本作以降に登場する新しい美術の潮流や技法、もしくは新たな画題に関して言及している様なのです。確かに、本作が登場する以前に、その書物に顕れる作品は、神話や聖書の逸話を題材としたモノや、やんごとなき身分にある人物の肖像画ばかりなのですから。
    そう謂う意味では、名もなき民衆の嬉々とした表情を描いている事自体が「新しい世界の到来を予告している」のかもしれません。

    ところで、画家を紹介するこちらをみると、そこで紹介されているのは、同じ画題の作品、エルミタージュ美術館 / The State Hermitage Museum収蔵の『村の祭り / Rural Feast』(1646年の作)です。
    その作品も、民家の庭先で歌い踊る村人達が描かれています(そちらの方が、やや遠景からの視線ですね)。
    そちらの作品の方が知名度もあるのか、完成度が高いのか、わたしには判断はつきません。

    ちなみに、同時代の同画題の作品を検索すると、画家の作品が幾つも登場します。
    画家の主要な主題、さもなければ、この様な画題ないし作風がよろこばれたのでしょうか?
    上に引用した「新しい世界の到来を予告している」と謂う語句が脳裏をかすめます。

    下に掲載するのはセザール・パターン / Cesar Pattein(日本語表記はこれで良いのでしょうか?)による『むらまつり / Country Celebrations』(邦題は拙訳です)。
    時代はぐっとくだって1897年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:53 * comments(0) * - * -

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