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『墓の中の死せるキリスト』 by ハンス・ホルバイン(子)

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    これがそうなのか。これがあのひとだったのか。あのひとの遺骸がこれなのか。
    最初に沸き起こるのが、そんな疑問である。
    だが、残酷にも、胸部下部そして右掌の、傷痕と黒くこびりついた血痕が、信じ難き事実を告げているのである。


    作品名:墓の中の死せるキリスト
         Der tote Christus im Grabe
    画 家:ハンス・ホルバイン(子)
        Hans Holbein The Younger
    美術館:バーゼル市立美術館スイス連邦バーゼル
        Kunstmuseum Basel, Basel, Confoederatio Helvetica



    1521年から1522年頃の作品。

    本作は、一体、なんなのでしょう。なんの目的をもって描かれたのでしょう。
    これはイエス・キリスト / Jesus Christの遺骸である。と、告げられてもその耳を疑います。
    ですが、この遺骸の2箇所の傷痕は、磔刑 / Crucifixionの、その結果としか思われません。

    イエス・キリスト / Jesus Christの死を題材とした、と謂っても、磔刑 / Crucifixionでもないし、復活 / Resurrectionでもありません。勿論、新約聖書 / Novum Testamentumで語られるふたつの物語のその間隙である、と看做さざるを得ないのではありますが。

    にしても、この青黒く腐敗しつつあるその顔があの人物のモノなのだろうか。
    こんな狭い棺に納められたのか、と、思ってしまいます。
    つまり、この様な描写をした画家の真意が疑えてならないのです。

    本作を収蔵した美術館の地名からある作品を想い出します。
    ヨハン・ルドルフ・ファイヤーアーベント / Johann Rudolf Feyerabendが描いた『大バーゼルの死 / "Der Prediger Totentanz" oder "Der Tod von Basel"』(こちらで紹介済み)です。と、すると死の舞踏 / Totentanzとなんらかの関連があるのでしょうか。
    いやいや、そんな遠回りをしなくても、本作を描いた画家には連作『死の舞踏 / Totentanz』があります。

    もしも、死の舞踏 / Totentanzと謂う画題となんらかの係累があるのだとしたら、イエス・キリスト / Jesus Christ復活 / Resurrectionとは、死の舞踏 / Totentanzのひとつ、なのでしょうか。
    と、とてつもなく不埒な妄想をも抱いてしまうのです。

    下に掲載するのはウラジーミル・ボロヴィコフスキー / Vladimir Borovikovskyによる『墳墓のキリスト / Christ In The Tomb』(邦題は拙訳です)。時代はぐっと下って1820年代の作品です。
    この作品の方が、新約聖書 / Novum Testamentumで語られている物語に遥かに忠実である様に思えます。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:42 * comments(0) * - * -

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