<< April 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 短歌:暁ヲ覚ヘズヲ詠メル | main | 詩『車窓 〜雨〜:From A Car Widow, Rain』 >>

『トリエステ、イタリア』 by アンリ・カルティエ=ブレッソン

0
    芝生の上に、無防備に睡る半裸の男性。そびえる塔状の建物はそれを静かにみまもっている。


    作品名:トリエステ、イタリア
        Italy. Friouli. Trieste. 1933.
    写真家:アンリ・カルティエ=ブレッソン
        Henri Cartier-Bresson
    美術館:メトロポリタン美術館アメリカ合衆国ニュー・ヨーク
        The Metropolitan Museum Of Art, New York City, USA


    原題名にある通り、1933年の作品。

    本作品を観て、想い出したのは、ベン・シャーン / Ben Shahnの絵画作品『カーニバル / Carnival』(こちらで紹介済み)です。そして、何故、ここに写る半裸の男性は寝ているのだろうか、しかも背をそむけて ... とか、考えていたのです。

    ところが、わたしが本作品を知った美術評論『美術の解剖学講義 / The Lecture Of Anatomy For Art』(森村泰昌 / Yasumasa Morimura著)では、写真家の提唱する決定的瞬間 / Image a la Sauvetteに則って、その著者は全然違う視点を提示するのです。

    「まず垂直に空に向かって立っている煙突、これが黒と白のストライプになっています。画面中心に水平に伸びる建物はどうでしょう。やはり黒白のストライプですね。そして芝生でおじさんが気持ちよさそうに寝っころがっていますが、なんとおじさんのショートパンツの柄もまた細い黒白のストライプです。なにもかもが、黒白のストライプの反復リズムで成り立っているのが、実はこの写真なわけです。」

    ふむふむ。
    そこでわたしは、水平の構図と垂直の構図か、それならばわたしも気づいていた、と後出しじゃんけんをして、勝ち名乗りを挙げる事も出来ます。冒頭の1文は、それを指摘したモノであると、謂えない事もないからです。

    しかし、その著作では上の引用文に続けて、こんな論旨を披露するのです。

    「ですからおじさんのパンツは絶対にシマシマでないと困るのであって、いくらかわいくても花柄であってはならないのです。」

    そして、矢継ぎ早にこんな結論をも下しているのです。

    「シマシマだったときに決定的瞬間が訪れ、花柄だったらハズレです。」

    下着の柄にまでは、わたしも到底、気付きません。しかも、それが花柄だったらなんて、連想も絶対に出てこないのです。

    下に掲載するのはチャールズ・C・エベッツ / Charles Clyde Ebbetsによる『昼寝、「摩天楼の頂上でランチ」の後で / After “Lunch Atop A Skyscraper”, A Nap』(邦題は拙訳です)。上の作品の前年1932年の作品です。
    もしこれを決定的瞬間 / Image a la Sauvetteの文脈で分析すると、どんな解釈が産まれるのでしょうか?
    ちなみに、同じ写真家による同一の視点から撮影した作品(つまり、摩天楼 / Skyscraperの頂上にいる労働者を撮影した作品)に『摩天楼の頂上でランチ / Lunch Atop A Skyscraper』があります。そちらの方がよく知られている様です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:59 * comments(0) * - * -

    スポンサーサイト

    0
      スポンサードリンク * - * 08:59 * - * - * -

      comments

      entry your comments









      このページの先頭へ