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『大公の聖母』 by ラファエロ・サンツィオ(ラファエロ・サンティ)

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    暗闇にうかびあがる青と赤。それをまとうそのひとの眼は慈愛にみちて、抱く我が児にそそぐ。
    そして、その幼な児は、じっとわたしを凝視めるのであった。


    作品名:大公の聖母
         Madonna del granduca (Madonna col Bambino)
    画 家:ラファエロ・サンツィオ(ラファエロ・サンティ)
        Raffaello Sanzio (Raffaello Santi)
    美術館:
    ピッティ美術館(パラティーナ美術館)イタリア共和国フィレンツェ
        Palazz Pitti, Firenze, Italia

    1504年の作品。

    背景の黒に浮かび上がる、青の外套と赤の衣服 / Wearing Red And Blueの対比が美しいなぁ、と思ったら、それは聖母マリア / Maria アトリビュート / Attributeだと謂うのです。
    それを裏付けるかの様に、同じ画家による翌1505年の同画題、『カウパーの小聖母子 / The Small Cowper Madonna』も、描かれている背景は室外でありながらも、同じ配色です。
    そう謂えば、レオナルド・ダ・ヴィンチ / Leonardo da Vinciの『 聖アンナと聖母子 / Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnllo』(1504年から1504年の作品)も、描かれているふたりのうちの若い女性が、同様の配色をされていて、逆に謂えば、その彼女の衣服がそうであるからこそ、聖母マリア / Mariaとその母、聖アンナ / Saint Anne、そしてイエス・キリスト / Iesusを描いた作品だと、解るのです。

    「いったい、処女のままで妊娠するとは、どういうことなのだろうか。」

    澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawa著の評論集『女のエピソード』の、聖母マリア / Mariaを題材とした1章では、冒頭で上の疑問を呈示した後に、次の様な言及がなされています。

    「昔のキリスト教の神学者たちも、この処女懐胎という問題に、何とかして合理的な、納得のいく説明を加えようとして、苦心惨憺したらしいことが知られている。」

    その章では、聖母マリア / Mariaの妊娠と出産、すなわち処女懐胎 / Virgin Birth Of Jesusにのみ注目して、上の1文を皮切りに、その難問に対して試みられた思案や解答が、幾つも紹介されています。
    そして、何故だか、その紹介から一挙に、聖母マリア / Mariaの夫であるナザレのヨセフ / Iosephusへの言及へと飛躍するのです。

    「しかし、これでは、ヨセフの立場があまりにも気の毒だとは言えないだろうか。夫の立場があまりにも無視され、忘却されているとは言えないだろうか。」

    そして、この章は次の様な1文をもって閉じられています。当時の著者に、その様な想いを馳せさせる様な実体験があったのでしょうか?

    「昔も今も、父親の存在というものは、悲しく、はかないものだと私は思う。マリアの栄光のかげに消されてしまった父親ヨセフにしても、例外ではないのである。」

    下に掲載するのはミケランジェロ・ヴォナローティ / Michelangelo Buonarrotiによる『ブルージュの聖母子像 / Madonna Of Bruges』。1501年から1504年の作品です。
    青の外套と赤の衣服 / Wearing Red And Blueではない白亜なのは、この作品が大理石像 / Marble Sculptureだからです。念の為。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:25 * comments(0) * - * -

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