<< October 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 短歌:野分ユキテ詠メル | main | 詩『あるひかいしゃで:At My Office In A Day』 >>

『青衣の少年』 by トマス・ゲインズバラ

0
    成人でもないし、児童でもない。だからと謂って、安易に少年と呼ぶのも憚られる。不思議な時代、ごく一瞬の姿である。
    衣装の青さに映えるのは、紅潮した頬であり、それが意図しているのは、若さだろうか、幼さだろうか。


    作品名:青衣の少年
        The Blue Boy
    画 家:トマス・ゲインズバラ
        Thomas Gainsborough
    美術館:ハンティントン・ライブラリーカリフォルニア州、サンマリノ
        The Huntington Library, San Marino, State Of California


    1770年頃の作品。

    一説によればジョナサン・バトール / Jonathan Buttleなる人物の肖像だと謂われています。仮に、その人物の若き日(彼の出生年は1752年なので、18歳の肖像となります)だとして、では、どんな姿に成長したのだろうと検索しても、成人としてのその人物の肖像は登場しません。
    いろいろな意味で残念です。

    また、本作は、アンソニー・ヴァン・ダイク / Anthony van Dyckが描いたチャールズ2世 / Charles II Of Englandの肖像画『チャールズ2世 / King Charles II』(1638年作)の影響下にあると謂われています。その作品はチャールズ2世 / Charles II Of England
    の出生年が1630年なので8歳の肖像で、姿勢や出立ちが似ているのは確かですが、それ以上の意味をわたしは感じ取る事が出来ません。
    本作の奇妙な佇まいを説明出来ないのです。

    本作を観ると、衣服の青さの美しさに魅了されます。そして、次に視線に飛び込んでくるのが、描かれた人物の表情です。こちらをじっと凝視めている一方で、その凝視めると謂う行為に対してなのか、それとも作品を観るわたし達の視線に対してなのか、頬を赤くそめています。

    そんな色彩の配合に魅了された後に、あらためてその人物の全身を眺めると、なんとなく、体型のバランスがおかしいのです(わたしだけでしょうか?)。もうすこし背丈もおおきくあって欲しいし、もうすこし痩身であって欲しい。腰回りがこちらの願望以上におおきくて、安定している以上の存在感を主張しているのであります(わたしだけでしょうか?)

    成年に達した彼、もしくはもっと幼い彼(アンソニー・ヴァン・ダイク / Anthony van Dyck描くチャールズ2世 / Charles II Of Englandまでとは謂わないけれど)、そのいずれかであれば、もっと落ち着いた作品となる筈です。もしくは彼自身の性格や行動に相応しい情景でも良いのです(年格好に似合わぬ、彼に背伸びをさせた姿勢とも思えるのです)。
    様々な要素が微妙な配剤で際どくも作品として成立している、そんな印象を受けるのです。

    下に掲載するのは『13歳のモーツァルト / Portrait Of Wolfgang Amadeus Mozart At The Age Of 13 In Verona』。上と同じく1770年の作です。
    描いた画家はジャンベッティーノ・チニャーロリ / Giambettino Cignaroliと看做されています。
    上の作品になぞらえれば、この作品でのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト / Wolfgang Amadeus Mozartを、さしずめ"赤衣の少年 / Red Boy"と呼ぶ事も出来ましょう。

    attributed to Giambettino Cignaroli

    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:37 * comments(0) * - * -

    スポンサーサイト

    0
      スポンサードリンク * - * 08:37 * - * - * -

      comments

      entry your comments









      このページの先頭へ