『睡蓮』 by クロード・モネ
2020.10.24 Saturday
作品名:睡蓮
Water Lilies
画 家:クロード・モネ
Claude Monet
美術館:国立西洋美術館/東京、台東区
The National Museum Of Western Art, Tokyo, Taito, Tokyo
1916年の作品。
画家には幾つもの連作があります。連作『積みわら』 / Haystacks Series(そのうちの1作品はこちらで紹介済み)や連作『ポプラ並木』 / Poplars Series (そのうちの1作品はこちらで紹介済み)そして連作『ルーアン大聖堂』 / Rouen Cathedral Monet Series(そのうちの1作品はこちらで紹介済み)で、それらのなかから1作品づつを拙ブログでは紹介してきました。
そして画家には、もうひとつの、そして最も重要な連作があります。連作『睡蓮』 / Water Lilies Seriesです。
拙ブログではこれまで、その連作のなかから、『睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋) / Le bassin aux nympheas, harmonie rose』(1900年の作こちらで紹介済み)や『睡蓮 朝 / Les Nympheas - Matin』(1915〜1926年の作 こちらで紹介済み)を紹介してあります。
で、今回はどの作品にしようかと随分と悩みました。
と、謂うのは連作『睡蓮』 / Water Lilies Seriesは1895年に開始され画家の亡くなる直前1926年まで続けられました。そしてその結果、250点以上もの作品があると謂うのです。しかも、その内、我が国には13美術館に28点が収蔵されていると謂うのです(実は、これまで紹介してきた連作のなかの1点と謂うのはそれぞれ、国内で観る事の出来る作品から選んでいたのです)。
そして、上の作品にしたのは、検索して最初に登場した、ただそれだけの理由であります。
画家は何故、この画題を選んだのでしょう。そして、何故、こんなにも多くの作品を描いた / 描けたのでしょう。
画題は総て、ジヴェルニー / Givernyにある自邸に設けられた、睡蓮 / Water Lilyの浮かぶ池の光景です。その池は、歌川広重 / Hiroshigeの連作『名所江戸百景 / One Hundred Famous Views Of Edo』の1点『亀戸天神境内 / Precincts Of The Tenjin Shrine At Kameido』(こちらで紹介済み)を模して造築されたと謂います。画家の作品『睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋) / Le bassin aux nympheas, harmonie rose』は歌川広重 / Hiroshige作をそのまま油彩化した様な情景でもあります。
それが次第に、歌川広重 / Hiroshige作から離れていくのです。
かたちではなく、いろ、もしくは、ひかりへと関心が移っていきます。
それは加齢による画家の視力の衰えが原因であるとも謂われています。
わたしがふと想ったのは、鴨長明 / Kamo no Chomeiの随筆『方丈記 / Hojoki』の、有名な冒頭文です。
「ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず / Ceaselessly The River Flows, And Yet The Water Is Never The Same」
でも、この様な事は、頭の良い人ならば、川の流れを一瞥するだけで見出せそうな気もします。
画家はこれに似た様な感興を、自邸の池を描きながら思いついたのではないでしょうか。
一見、なにも変わらない、なにも動かない、そう想える眼前のその光景が、実は一瞬たりとも同一ではないのだ、と。
下に掲載するのは、葛飾北斎 / Hokusaiによる、連作『百人一首うはか恵とき』 / 100 Poems Explained By The Nurseの1点『文屋朝康 / Women Gathering Water Lilies (Bunya No Asayasu)』。1835年から1836年頃の作品。
歌川広重 / Hiroshigeに睡蓮 / Water Lilyを描いた作があるのならば、葛飾北斎 / Hokusaiにもあるのだろう、そう想って検索したその成果です。
Water Lilies
画 家:クロード・モネ
Claude Monet
美術館:国立西洋美術館/東京、台東区
The National Museum Of Western Art, Tokyo, Taito, Tokyo
1916年の作品。
画家には幾つもの連作があります。連作『積みわら』 / Haystacks Series(そのうちの1作品はこちらで紹介済み)や連作『ポプラ並木』 / Poplars Series (そのうちの1作品はこちらで紹介済み)そして連作『ルーアン大聖堂』 / Rouen Cathedral Monet Series(そのうちの1作品はこちらで紹介済み)で、それらのなかから1作品づつを拙ブログでは紹介してきました。
そして画家には、もうひとつの、そして最も重要な連作があります。連作『睡蓮』 / Water Lilies Seriesです。
拙ブログではこれまで、その連作のなかから、『睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋) / Le bassin aux nympheas, harmonie rose』(1900年の作こちらで紹介済み)や『睡蓮 朝 / Les Nympheas - Matin』(1915〜1926年の作 こちらで紹介済み)を紹介してあります。
で、今回はどの作品にしようかと随分と悩みました。
と、謂うのは連作『睡蓮』 / Water Lilies Seriesは1895年に開始され画家の亡くなる直前1926年まで続けられました。そしてその結果、250点以上もの作品があると謂うのです。しかも、その内、我が国には13美術館に28点が収蔵されていると謂うのです(実は、これまで紹介してきた連作のなかの1点と謂うのはそれぞれ、国内で観る事の出来る作品から選んでいたのです)。
そして、上の作品にしたのは、検索して最初に登場した、ただそれだけの理由であります。
画家は何故、この画題を選んだのでしょう。そして、何故、こんなにも多くの作品を描いた / 描けたのでしょう。
画題は総て、ジヴェルニー / Givernyにある自邸に設けられた、睡蓮 / Water Lilyの浮かぶ池の光景です。その池は、歌川広重 / Hiroshigeの連作『名所江戸百景 / One Hundred Famous Views Of Edo』の1点『亀戸天神境内 / Precincts Of The Tenjin Shrine At Kameido』(こちらで紹介済み)を模して造築されたと謂います。画家の作品『睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋) / Le bassin aux nympheas, harmonie rose』は歌川広重 / Hiroshige作をそのまま油彩化した様な情景でもあります。
それが次第に、歌川広重 / Hiroshige作から離れていくのです。
かたちではなく、いろ、もしくは、ひかりへと関心が移っていきます。
それは加齢による画家の視力の衰えが原因であるとも謂われています。
わたしがふと想ったのは、鴨長明 / Kamo no Chomeiの随筆『方丈記 / Hojoki』の、有名な冒頭文です。
「ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず / Ceaselessly The River Flows, And Yet The Water Is Never The Same」
でも、この様な事は、頭の良い人ならば、川の流れを一瞥するだけで見出せそうな気もします。
画家はこれに似た様な感興を、自邸の池を描きながら思いついたのではないでしょうか。
一見、なにも変わらない、なにも動かない、そう想える眼前のその光景が、実は一瞬たりとも同一ではないのだ、と。
下に掲載するのは、葛飾北斎 / Hokusaiによる、連作『百人一首うはか恵とき』 / 100 Poems Explained By The Nurseの1点『文屋朝康 / Women Gathering Water Lilies (Bunya No Asayasu)』。1835年から1836年頃の作品。
歌川広重 / Hiroshigeに睡蓮 / Water Lilyを描いた作があるのならば、葛飾北斎 / Hokusaiにもあるのだろう、そう想って検索したその成果です。
from "100 Poems Explained By The Nurse" by Hokusai