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『ナジャ』 by アンドレ・ブルトン

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    主人公である"わたし"は、1926年の10月のパリ / Parisで、ナジャ / Nadjaと名乗る女性と出会う。

    ナジャ』(画面左)と原書『Nadja』(同右)

    書名:『ナジャ
    原書:Nadja
    著者:アンドレ・ブルトン
       Andre Breton
    翻訳:巖谷國士
    発行:岩波文庫(岩波書店)


    シュルレアリスム / Surrealismeという新しい文学運動を起こした作者アンドレ・ブルトン / Andre Breton本人と思しき主人公と、娼婦と思しきナジャ / Nadjaとの不思議な交友録。
    ナジャ / Nadja自身の手によるイラストだったり、二人が徘徊したパリ / Parisの街並の写真とか、二人が共にいた物証や記録が遺されているのにも関わらず、総ては白日夢の様に不確かです。
    はたしてナジャ / Nadjaは実在したのか?
    それともアンドレ・ブルトン / Andre Bretonの空想の産物なのか?
    その答えには一切解答せずにこの小説は次の言葉で結ばれています。

    美は痙攣的なものであるにちがいなく、さもなくば存在さえしない

    ところで、わたしにとってこの言葉はあまりに唐突に登場してくるので、一体何の事やらさっぱり解りません。
    否、この"作品"に登場する総べての言葉が、唐突で脈絡がなく、一切が不安定な心許ないまま、放り出されています。本来ならば、あまりお気に入りでない人物との会話を断ち切る際の手段(時々、わたしもやってしまいます)が、何故か、"わたし"にとっても、ナジャ / Nadja自身にとっても、楽しい行為なのです。二人はただただ、あてどなく、もしあるとしたら、そのような唐突な言葉を蕩尽する為にのみパリ / Parisの街を彷徨います。

    この謎の言葉の、解答の手がかりのひとつとして、パティ・スミス / Patti Smithが己の作品『ラジオ・エチオピア / Radio Ethiopia』のライナー・ノーツに、"Beauty will be convulsive or not at all."と、この言葉を英訳して引用している事を挙げておきます。ちなみに、下に紹介している動画画像は、そのアルバムのオープニング・ナンバーです。

    "Ask The Angel" from the album"Radio Ethiopia" played by Patti Smith Group

    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : comics and literature * 16:57 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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