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『船上の舞踏会』by ジェームズ・ティソ

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    時は春、もしくは初夏と呼んでもいいかもしれません。ヨーロッパ各国の旗々をサンルーフにした船上の甲板で、華やかな女性達が、何人も何人も、潮風にあたっています。ワンフロア下の副甲板では今しも舞踏会の真っ盛り。ここに居る女性達は皆、踊り明け暮れて火照った身体を涼ませ、心地よい疲労感に癒されているのでしょう。
    ほら、今度は潮風に飽きた彼女が、また、いそいそと舞踏会へと階下へと降りて行きます。


    作品名:船上の舞踏会
        The Ball On Shipboard
    画 家:ジェームズ・ティソ
        Jacques Joseph Tissot (a.k.a. James Tissot)
    美術館:テート・ブリテンイギリスロンドン
        Tate Britain,London,England


    舞踏会というタイトルながら、舞踏会そのものを描くのではなく、そこに集った貴婦人達、舞踏会の喧噪から逃れた貴婦人達が和んでいる姿をメインに描いています。その結果、舞踏会そのものの華やいだ雰囲気が画面に収められている様です。
    ネガティブな見方やイヂワルな見方をすれば、ここに集う女性達は、いわゆる、壁の花 / Mauerbluemchenかもしれません("壁の花"をドイツ語で"Mauerbluemchen"というそうですがこのでリンク貼ったのは同名のファッション・ブランドです。素敵なのでリンクしちゃいました)。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド / The Velvet Undergroundの「オール・トゥモローズ・パーティーズ / All Tomorrows Parties」で描かれた主人公の様な。
    でも、そんな暗いダークな印象を受けないのは、ここが春の船上と言う開放的な場所で、描かれた時代が、19世紀 / The 19th.Century後半の英ヴィクトリア朝 / Victorian eraだからでしょう。
    オール・トゥモローズ・パーティーズ / All Tomorrows Parties」よりも、ここでは、同じ時代を舞台に据えたミュージカル『マイ・フェア・レディ / My Fair Lady』の挿入曲「踊り明かそう / I Could Have Danced All Night」の方が相応しいと思います。

    from the movie"My Fair Lady" directed by George Cukor
    the music for the soundtracks "My Fair Lady" composed by Frederick Loewe
    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 14:57 * comments(0) * - * -

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