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『ラ・ジャポネーズ』 by クロード・モネ

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    畳敷きの室内には、いくつもの団扇が壁に飾られています。そして、その前で、まっかな着物を身に纏い、左手に持っている扇を振り翳しているその女性のアップに束ねられたその髪は、黄金に輝いています。その顔は、黄金の髪 / blonde hairよりも、ひときわ美しく、そして、喜びに満ちています。


    作品名:ラ・ジャポネーズ
        Madame Monet in Japanese Costume(La japonaise)
    画 家:クロード・モネ
        Claude Monet
    美術館:ボストン美術館アメリカ合衆国ボストン
        Museum of Fine Arts, Boston, Boston, USA


    タイトルにある『ラ・ジャポネーズ / La japonaise』とは、この作品が描かれた19世紀後半から20世紀初頭にかけての、ヨーロッパの美術界を席巻した風潮、日本の文物や文化や、美術作品への熱狂を指した言葉です。「ジャポニズム / Japonism」、日本主義と訳されます。
    その「ジャポニズム / Japonism」をまんまタイトルに持ってきたこの作品は、作家クロード・モネ / Claude Monetの妻、Camille Monetをモデルとしたものです。だから、こんなに華やいだ表情を魅せてくれるのでしょうか?
    と、思って調べてみると、この作品に描かれている金髪 / blonde hairは、カミーユ・モネ / Camille Monet自身の髪ではなくて、鬘。と、云う事は、この華やかなイメージは、作者自身による演出が随分と大きいという事が解ります。つまり、和装した己の妻を描くというのよりも、己の妻をコスプレさせて、ナニモノかを描く事が主目的だったのでしょう。

    例えば、モデルである妻カミーユ・モネ / Camille Monetが持っている扇は、仏国旗トリコロール / tricoloreと同配色です。
    だから、ここに描かれているのは、作者の個人的な日本趣味の投影であるというよりも、日本とフランスとの出会い、もしくは、そこから産まれるかもしれない何か(新しい美とか?)への思いを描いたものかもしれません。

    そう云えば、着物に描かれている髭面の武士になんとなく、違和感を感じるるいです。女性のあかい着物にあんまり相応しい絵柄じゃないなぁ、それに、あの位置だと実際に着付けしたら、絵柄の殆どが隠れちゃうんぢゃないかしら、なぁんて、思っています。
    イヤ、着物詳しくないから、実際の処、よく解りませんが。

    つまり、実物に忠実に描いたというよりも、金髪 / blonde hairの鬘とかトリコロール / tricoloreの扇とかと同様に、作者による美術的な演出が行われているのではないでしょうか?

    と、いうのは、この作品と対になる作品で、同じく妻カミーユ・モネ / Camille Monetを描いた作品に『緑衣の女性(カミーユの肖像) / La femme a la robe verte (Portrait de Camille)』があります。まるで、その作品では、喪服かと見誤う様な暗い衣装を纏い、沈欝な表情をたたえたカミーユ・モネ / Camille Monetを観る事が出来ます。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 13:35 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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