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『種をまく人』 by ジャン=フランソワ・ミレー

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    その男は、肩にかけた袋からひとつかみの種を取り出すと、急斜面の畑にその種をまいていきます。あたりは次第に薄暗くなり、夜の闇が迫っています。沈む夕陽を受けて、乾草を積んだ荷車だけが黄金色に輝いています。
    その一瞬の黄金色の反射に助けられて、薄暗い闇に溶け込みそうな、その男の衣服が、赤・青・黄の配色が眼の中にすぅっと飛び込んできます。


    作品名:種をまく人
        Le Semeur
    画 家:ジャン=フランソワ・ミレー
        Jean - Francois Millet
    美術館:山梨県立美術館山梨県甲府
        
    Yamanashi Prefectural Museum of Art, Kofu City, Yamanashi Prefecture

    もう何年も前の事になりますが、わたしはこの作品を観にいった事があります。京都 / Kyoto City奈良 / Nara Cityへの独り旅、ほんのちょっとした気紛れで、中央本線 / Chuo Line経由で行ってみようと思い立ちます。そして、その中央本線 / Chuo Lineを使う口実のひとつに、途中下車してこの作品を観に行く事としました。

    やっとのことでこの作品のある美術館に辿り着いた時は、この作品同様に、薄暗い雲に覆われている日でした。季節は晩秋。作品全体を覆う暗雲に取り囲まれた様な気がして、堪らなくなった記憶があります。
    種を巻く、実りの時を予感させて、収穫の喜びを望ませる画題の筈なのに、なんでこんなに暗い絵なのだろうか?と、いぶかった記憶もあります。

    そう云えば、わたしがこの画家の事を知ったのは、幼年向けの伝記集で、後に偉大な功績をなす偉人達の幼少期をまとめたアンソロジーでした。そこに登場する人々は皆、貧乏で満足な教育も受けられないものの、己自身の才能と努力で身を立てて、後に人々のために役立つ成果を得た〜という基調で描かれていました。
    その中のひとりが、ジャン=フランソワ・ミレー / Jean - Francois Milletでした。
    そういう、わたしの幼児期の読書体験とその読後感の印象が、この作品を見誤らせるのでしょうか?

    実家の書架に積み上げられている文庫の殆どに印刷されている、この作品から創られたロゴを観ながら、不思議な感慨をもった事も忘れられません。
    なお、岩波書店がこの作品をシンボルマークに使用する事になった顛末は「〈種をまく人〉のマークを使用開始(1933年12月10日)」に書かれています。

    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 13:23 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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