<< October 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 再びこの店で待っているるいです(I'm waiting for the man, again.) | main | 『雪女』 by 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) >>

『サタン、ヨブを撃つ』 by ウィリアム・ブレイク

0
    苦悩とも困惑とも思える表情をたたえた、蝙蝠の翼を持つヒトが、彼の足許に横たわる老人にナニモノかを浴びせかけています。その傍らには嘆き悲しんでいる女性が俯いていて、遥か彼方の黒い海には、禍々しいまでの大きな陽が沈もうとしています。夥しい黒雲が幾重にも重なり、この不吉な絵をさらに不安なものとしています。


    作品名:サタン、ヨブを撃つ
        Satan Smiting Job With Sore Boils
    画 家:ウィリアム・ブレイク
        William Blake
    美術館:テート・ギャラリーイギリスロンドン
        Tate Gallery, London, England


    この作品に描かれているのは、旧約聖書 / The Old Testamentからの一篇『ヨブ記 / Iyov - Job』の一節です。
    神がヨブの信仰心と忠誠心を知ろしめす為に、ヨブを悪魔サタン / Satanの思うがままにさせます。ヨブは家族と全財産を奪われて、ヨブ自身も身体全身にできた腫物で苦しめられます。その情景を絵画化させたのが、この作品です。
    作者ウィリアム・ブレイク / William Blakeは、『ヨブ記 / Iyov - Job』全編を全22葉のエッチング / Etching作品として視覚化しています(こちらこちらのサイトで観る事が出来ます)。

    ところで、この『ヨブ記 / Iyov - Job』は、とても恐ろしい物語だと思います、本来ならば、対峙する筈の神と悪魔が交渉して取引をしたり、ヒトの信仰を試す為に、神が悪魔を利用したり、信仰が厚いというだけで、神に試練を与えられたりと、冷静に考えればすごく理不尽な物語に想えてなりません(それは、わたしがユダヤ教 / Judaismキリスト教 / Christianityというものを理解していないせいかもしれませんね)。

    そして、わたしがこの作品を観る度に想う事は、ヨブを撃つサタン(Iyov - Chapter 2 7.)自身が、何故、苦悶の表情をたたえている(様に観える)のか、という事です。神を信ずるものに災厄をもたらすのは、悪魔ならば、喜びの瞬間ではないのでしょうか?
    もしかしたら、ヨブを撃つ事はすなわち、神の思惑にのっかってしまった、神の道具としての己という存在に気づいているからでしょうか?

    それとも、全く異なる理由、作者自身の抱えている煩悶が、悪魔サタン / Satanにその様な表情をさせているからでしょうか? ウィリアム・ブレイク / William Blake自身も、かなり信仰心が厚い人物だったようです。だから、神から試練を与えられているヨブと己を準えて、同一化 / Projective Identificationして、視てしまったのかもしれません。

    以下に紹介するのは、ウィリアム・ブレイク / William Blakeと同じく、聖書 / Bibleを図案化したギュスターヴ・ドレ / Gustave Doreの作品から『ヨブ記 / Iyov - Job』の一節にあたるシーンです。
    この作品では、ヨブが苦悶するヨブを見舞った友人達と、信仰に関する議論(Iyov - Chapter 2 11.)をしています。

    "Job and His Friends" From Bible Illustrations by Gustave Dore
    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 16:47 * comments(0) * trackbacks(0) * -

    スポンサーサイト

    0
      スポンサードリンク * - * 16:47 * - * - * -

      comments

      entry your comments









      trackbacks

      このページの先頭へ