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『シテール島への船出』 by ジャン=アントワーヌ・ヴァトー

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    清々しい青空が拡がる湾内にぽぉんと軽やかに橙色の帆が掲げられて、碧濃い森林の入口に艶やかな人々が屯しています。彼らを祝福する様にクピド / Cupidoが舞い群れて、今にも出帆の時を待つばかりです。

    華やかで、小粋で、繊細で、わたしが大好きな絵画作品のひとつです。しかし、何故か、謎に満ちている作品だとわたしは、思います。


    作品名:シテール島への船出
        L'Embarquement pour Cythere
    画 家:ジャン=アントワーヌ・ヴァトー
        Jean-Antoine Watteau
    美術館:シャルロッテンブルグ宮殿美術館ドイツベルリン
        Schloss Charlottenburg, Berlin, Deutschland


    シテール島またの名をキュテラ島 / Cythereは、ギリシア神話 / Greek Mythologyに登場する愛の島です。
    海の泡沫から誕生した美神アフロディーテ / Aphroditeは、西風の神ゼピュロス / Zephyrusによって、東の果てにある島へと運ばれます。その島こそ、シテール島。中世以降、この神話に「愛の巡礼」というテーマが新たに与えられて、ジャン=アントワーヌ・ヴァトー / Jean-Antoine Watteau以外にも、数多くの芸術家達が、作品化したそうです。
    ジャン=アントワーヌ・ヴァトー / Jean-Antoine Watteau自身も、ここで紹介したシャルロッテンブルグ宮殿美術館 / Schloss Charlottenburg所蔵の『シテール島への船出 / L'Embarquement pour Cythere』以外にも、同主題の『シテール島への巡礼 または 雅やかな宴 / Pelerinage a l'isle de Cythere』を描いていて、こちらはルーヴル美術館 / Musee du Louvreにあります。

    ところで、わたしが最初にあげた謎とは、以下のことです。
    果たして、この作品で描かれている場所は、どこなのでしょう?

    『〜への船出』というくらいだから、これからシテール島へ出向くという趣向の作品の筈なのですが、わたしには、何故か、『〜からの船出』という印象があります。
    それは、この作品に登場する人々の表情から、愛の始まりではなくて、愛の終わりが読み取れるのです。
    つまり彼らの顔に、これから出向う島で産まれ育まれるであろう愛の予感というよりも、既に成就した愛の陶酔と快い倦怠感に満たされている様に想えるのです。
    そお言えば、ジャン=アントワーヌ・ヴァトー / Jean-Antoine Watteauの作品に関してはこれでニ度目。以前に[『ピエロまたはジル』 by ジャン=アントワーヌ・ヴァトー]で、紹介しましたが、そちらの作品でも同じ様な感慨を紹介しましたね。

    実際に、美術界でもこの作品の解釈は別れていて、議論が絶えないそうです。
    『〜への船出』というタイトルは作者の死後に命名されている点や、画面右隅にアフロディーテ / Aphroditeの彫像がある点等、疑問を呼ぶ点が、多々あるそうです。

    でも、まぁ、『〜への船出』にしろ、『〜からの船出』にしろ、どちらにしても、個人的には、羨ましい限りです。
    愛の巡礼かぁ〜(タメイキ)。

    なお、本作品から影響を受けたものとして、クロード・ドビュッシー / Claude Debussyのピアノ独奏曲『喜びの島 / L' Isle Joyeuse』は、有名です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 16:26 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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