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『花』 by ムンカーチ・ミハーイ(ミヒャエル・フォン・ムンカーチ)

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    蒼い花瓶に活けられた花々が、画面一杯に描かれています。活けられた花々は思い思いの方向にその枝々を伸ばし、葉々はひしめきあって、その蒼い花瓶だけでは、彼らの勢いをとどめる事が出来ない様です。もし、枝や葉のひとつに指を触れれば、恐らく、花瓶は揺らぎ、大きな音をたてて倒れてしまうに違いありません。
    それだけ、ここに描かれた花々の均衡は緊張感に満ちていて、ほんの一瞬だけが捕らえる事の出来る美しさかもしれません。


    作品名:花
        Viragcsendelet (Great Flower Still-Life)
    画 家:ムンカーチ・ミハーイ(ミヒャエル・フォン・ムンカーチ)
        Munkacsy Mihaly(Michael von Munkacsy)
    美術館:ハンガリー国立美術館ハンガリーブダペスト
        Hungarian National Gallery, Budapest, Hungary


    と、書いてみたものの、実は、静物画 / Still Lifeの見方がよく解らない。
    例えば、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ / Vincent Van Goghの『ひまわり(15本の向日葵) / Vaas met vijftien zonnebloemen (Vase with Fifteen Sunflowers)』だって、そこに描かれているひまわり / Sunflowerそのものぢゃあなくて、それを描いた(もしくは描かざるを得なかった?)ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ / Vincent Van Goghという画家への興味に移ってしまいます。
    例えば、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ / Michelangelo Merisi da Caravaggioの『果物籠 / Canestro di frutta』だって、そこに描かれているもの自体の美しさではなくて、その美が損なわれつつある事 / Vanitas、そしてそれをミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ / Michelangelo Merisi da Caravaggioが描いた事に、感動します。

    このムンカーチ・ミハーイ(ミヒャエル・フォン・ムンカーチ) / Munkacsy Mihaly (Michael von Munkacsy)の作品も、描かれている花々よりも、その背景となっている壁や散ってしまった花びらや枝が堕ちている円筒形の台に興味が向いてしまいます。
    だって、それは花々の影ですから。そこに描かれている美しさを引き立てる為だけに描かれているのではなくて、花々の暗部や陰部を象徴している様にみえます。

    よぉく観ていると、花々は盛を過ぎて、葉々もかつての張りと艶を失い、萎れつつあります。
    だって、よぉく考えてみると、花瓶に活けられた花々は植物の屍体だから。
    そこにはその華やかさとはうらはらな、暗い闇が大きく拡がっています。

    作者の代表作に、1870年のサロン(芸術アカデミー) / Salon (Academie des beaux-arts)で大きな評価を得た『死刑囚監房 / Siralomhaz (The Condemned Cell)』とか、故郷ハンガリー / Hungaryに新妻と帰郷する際の風景を描いた『ほこりをかぶった道 / Poros ut II (Dusty Country Road II)』とかありますが、ここでは『A viragok aldozata (The Sacrifice of Flowers)』という作品を紹介します。
    花々に抱かれて横臥し、死に逝く裸婦を描いた作品です。
    なんか、ここで紹介した作品に通じるものを感じました。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 16:36 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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