『O嬢の物語』 by ポーリーヌ・レアージュ
2008.04.27 Sunday
女流ファッション・カメラマンのOは、恋人ルネに、とある城館へ連れて来られる。
そこで、彼女は己の人格を剥奪されて、ひとつの愛玩物として生きていく事になる。
彼女に与えられる肉体的、精神的な苦痛は凄まじいものですが、それを讀んでいく内に、自然と受け入れてしまう読者である己に戦慄します。


そこで、彼女は己の人格を剥奪されて、ひとつの愛玩物として生きていく事になる。
彼女に与えられる肉体的、精神的な苦痛は凄まじいものですが、それを讀んでいく内に、自然と受け入れてしまう読者である己に戦慄します。


by ポーリーヌ・レアージュ / Pauline Reage
書名:『O嬢の物語
』
原書:Histoire D'O
著者:ポーリーヌ・レアージュ
Pauline Reage
翻訳:澁澤龍彦
発行:河出文庫(河出書房新社)

澁澤龍彦訳による河出文庫版『O嬢の物語
』の表紙に大写しされている乳首は、フォンテーヌブロー派 / Ecole de Fontainebleauの名作『ガブリエル・デストレ姉妹 / Gabrielle d'Eatrees et une de ses soeurs』(作者未詳)です。この絵画作品で描かれているふたりの行為は、ものすごく創造力を刺激します。
妊婦である事のアレゴリー / Allegoryという解釈が一般的ですが、ここで紹介する文学作品の表紙の様な使われ方をしますと、全く異なった意味をもってしまいます。
なお、この文学作品は1975年に映像化が試みられて映画作品『O嬢の物語
/ Histoire d'O』として公開されていますが、ここではグィド・クレパクス / Guido Crepaxによるコミック化された作品『O嬢の物語 / Histoire d'O"』(日本語版は『〜1
』と『〜2
』の二分冊)を紹介します。
スタイリッシュな筆致が素敵ですね。

原書:Histoire D'O
著者:ポーリーヌ・レアージュ
Pauline Reage
翻訳:澁澤龍彦
発行:河出文庫(河出書房新社)

"Gabrielle d'Eatrees et une de ses soeurs" by unknown.
澁澤龍彦訳による河出文庫版『O嬢の物語
妊婦である事のアレゴリー / Allegoryという解釈が一般的ですが、ここで紹介する文学作品の表紙の様な使われ方をしますと、全く異なった意味をもってしまいます。
なお、この文学作品は1975年に映像化が試みられて映画作品『O嬢の物語
スタイリッシュな筆致が素敵ですね。

illustration from "Histoire d'O" by Guido Crepax