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『風の花嫁』 by オスカー・ココシュカ

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    蒼い海原を恋人達が漂流しています。おんなは陶然として、己をおとこに委ね、夢幻の境地へと旅立とうとしています。おとこは、おんなのそんな気持ちを知ってか知らずか、表情にもならない感情をたたえて、蒼い虚空を凝視めています。
    月は、蒼い闇の中へと消え逝かんとし、大きな波がふたりを包み込もうとしています。


    作品名:風の花嫁
        Die Windsbraut
    画 家:オスカー・ココシュカ
        Oskar Kokoschka
    美術館:バーゼル市立美術館スイス連邦バーゼル
        Kunstmuseum Basel, Basel, Confoederatio Helvetica


    風の花嫁 / Die Windsbraut』という、美しい想像力を刺激することばに引き摺られて、この作品に描かれた女性の表情を窺うと、とても羨ましい気持ちになります。
    己の愛するひとに全幅の信頼と愛情を添えて、こころばかりかからだ、己の総てを委ねているのですから。
    だから、最初はわたしはこの作品の画家は女性で、己の愛情を描いた作品だとばかり、思っていました。

    でも、実際は違った。

    画家は男性で、この作品に登場する、憮然ともとれる固い表情をたたえているのが、作者本人だったのです。

    その事を知ってしまうと、作品がこれまで示してきた世界が、全く異なるものとなってきます。
    おとこは、おんなを愛していないのでしょうか? それとも、己の胸元で寝息をたてている恋人に不満でもあるのでしょうか?

    画家の生涯を調べてみると、この作品で描かれた愛は、いずれ破局します。

    作品は、ふたりの愛が絶頂の頃から描かれ始め、ふたりの愛が終止符をうった際に完成します。当初は、情熱的な燃える様な紅の色彩が踊っていた作品が、徐々に現在の蒼に塗り替えられていったそうです。

    そういう逸話を知ってしまった今、あらためてこの作品を凝視めてみますと、おとこはなにものかに怯え、眼前の不安にうち震えている様にもみえます。
    あたかも、おんなが産み出した大きな波に浚われてたった独り、いずことも知れぬ海岸に辿り着くのではないのか、と。

    この作品のモデルになった女性は、アルマ・マーラー / Alma Mahlerといいます。
    画家に出会う前に、夫である作曲家グスタフ・マーラー / Gustav Mahlerを喪くし、画家との恋が終焉した後に、建築家ヴァルター・グロピウス / Walter Adolph Georg Gropiusや作家フランツ・ヴェルフェル / Franz Werfelの妻となった女性です。
    彼女と彼女の恋の遍歴そして彼女の恋人達を描いたインタラウティヴ演劇 / Interactive Stage-Playである"Polydrama"『Alma』が海外では公演されてます。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 13:50 * comments(0) * trackbacks(1) * -

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