
作品名:海から上がるヴィーナス
Venus Anadyomene 画 家:ティツィアーノ・ヴェチェリオ Tiziano Vecellio 美術館:ナショナル・ギャラリー・オブ・スコットランド/エジンバラ、スコットランド National Gallery Of Scotland, Edinburgh, Scotland タイトルにある様に、ここに描かれているのはギリシア神話 / Greek Mythology〜ローマ神話 / Roman Mythologyの美の神、アフロディテ / Aphroditeことヴィーナス / Venus。でも、確かにここに描かれている彼女は美しいけれども、神性や聖性とは無縁の、ひとりの女性として、海にいます。 ギリシア神話 / Greek Mythology〜ローマ神話 / Roman Mythologyの神々は、その性格や行動は、他の神話体系に現れる神々よりも、遥かに人間的なのですが、それにしても、ここに描かれているヴィーナス / Venusの美しさは、あまりに人間的です。足許にある波間に揺れる貝殻だけが、彼女の出自を物語っています。つまり、海の沫から誕生したヴィーナス / Venusが、西風ゼフュルス / Zephyrsに運ばれて陸地へと辿り着く、と。 ティツィアーノ・ヴェチェリオ / Tiziano Vecellioは、『ウルビーノのヴィーナス / Venere d'Urbino』や『ヴィーナスとアドニス / Venere e Adone』といったヴィーナス / Venusを題材にした作品をいくつも手がけていますが、そのどれもが、神話的存在とは無縁の、ひとりの人間としての女性の美しさを追求している様です。 約2世紀もの後の、同じタイトルのジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル / Jean-Auguste Dominique Ingresの作品『海から上がるヴィーナス / Venus Anadyomene』の方が、俗性とはかけ離れた聖なる存在としての美神ヴィーナス / Venusを描いている様に観えます。 ![]()
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