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詩『死すべきあなたに(for your mortal spirit)』

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    1.
    ふかいふかいみずうみの底で
    くらいくらい闇につつまれて
    つめたいつめたい湖水の中で
    ゆれるわたしの身体はゆれる

    いつどうやってそしてなぜ
    もう忘れてしまったそんな事は
    だれがどこで、そしてなぜ
    もはやどうでもいいそんな事は

    さかなも通わぬこの闇を
    未来永劫に漂うのか
    蟲さえすまぬこの冷気を
    久遠の時を刻むのか

    常に見開かれたまなこには
    遥か彼方のみなもに映える
    あの光のみ輝いているのか

    息することを忘れた蒼い肺は
    流れることをやめた紅い血は
    それは夢見ることもかなわぬ
    わたしの死はいつまでも続く

    身の丈をこゆるみずくさのみ
    わたしの肌をささえてくれる
    やすらかにゆるやかにそっと
    2.
    あなたは何度も観ていた  −ふり注がれる湯で濡れ輝く金の髪を
    あなたは何度も観ていた  −ふりかざされる銀の刃物の冷たさを
    あなたは何度も観ていた  −大きく見開かれた、蒼い恐怖の瞳を
    あなたは何度も観ていた  −喜びに満ちる大きな黒い影の笑みを
    あなたは何度も観ていた  −ひきちぎれる白いカーテンの悲鳴を
    あなたは何度も観ていた  −暗い孔に流れそして消える紅い血を

    あなたは何度も観ていた −リモコンのスイッチを押して最初から 
    何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

    あなたはこれを観ろと勧めたけれども わたしはあなたを観ていた
    あなたはいろいろな事語ったけれども わたしはあなたを観ていた

    わたしは何度も観ていた −あなたの瞳あなたの耳あなたの思想を
    わたしは何度も観ていた −あなたの腕あなたの肢あなたの笑顔を
    わたしは何度も観ていた −あなたの胸あなたの声あなたの吐息を
    わたしは何度も観ていた −あなたの首あなたの汗あなたの唾液を
    わたしは何度も観ていた −あなたの指あなたの爪あなたの血潮を
    わたしは何度も観ていた −あなたの脳あなたの心あなたの全てを 

    わたしは何度も観ていた  −ただあなただけをあなただけをただ
    何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

    あなたは何度も観ていたわたしも何度も観ていた観ているあなたを

    3.
    そしてわたしの屍体は沈んで行く
    深い深い暗い暗い冷たい冷たい処へと
    わたしの屍体はもはや浮かぶまい

    そしてわたしの屍体は流されゆく
    さかなも通わぬみなぞこへ
    蟲さえすまぬ極寒の地へと
    紅く染まった死装束はやがて朽ち
    醜く歪んだ顔もいずれ崩れ果てて
    名もなきしろい髑髏となるだろう

    4.
    先に屍体となったのはわたしだけれども
    あなたの方が先に逝ってしまった

    5.
    あなたにあえてよかった それだけはいつか伝えたい

    inspired by "psycho" directed by A.Hitchcock


    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 11:43 * comments(2) * trackbacks(0) * -

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      comments

      >タムラさん

      むかし観た怖い映画のイメージに引き摺られたのかもしれません。
      同じフレーズを執拗に繰り返したからかもしれません。
      全文、読んでくれて、ありがとうございます。
      Comment by るい @ 2005/10/05 3:57 PM
      おぉぉ( ̄口 ̄;)!!
      何だか怖い詩ですな!!
      Comment by タムラ @ 2005/10/05 3:50 PM
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