ここに暗い色調で描かれているのは、痛みや悲鳴や驚きや混乱。そこに描かれているヒトビトは、今、己にナニが起きたのかも解らずに、ただネガティヴな、言葉にもならないメッセージを放っている。それは、そこに居合わせた牛や馬も同じ事。
と、いうよりも、牛や馬と同じ様に、ヒトビトは叫び悶え苦しんでいる。
しかし、解らないのは、そこに光をもたらすヒトのいる事だ。そのヒトは、ある光によってそこが照らし出されているのにも関わらずに、手にした燭台を掲げて、その様子を凝視ようとしている。
この光景は、そとで起きている筈なのに、まるでそとからなかを覗き込む様にして、そのヒトはその場で起きている事を、見定めようとしている。
それはなぜか。