めがさめる 夜 あれから1時間もたっていない
そと カーテンのすきまからのけはい 街はまだおきている
無音のひびき 空調はまだうごいている タイマーの出番はまださき
あめのおと かぜのさけび そう、明日からは夏休み
クラクション 酔客の歓声 かつてはわたしもあの群れにいた
よれた下着 はじきだされたまくら 夜目にもみえるきずのあと
ここをひろくかんじるのはあなたがいなくなってからだ
おきて てをあらい みずをのむ
ひえた硬水があるのをすっかりわすれ 蛇口をひらく
コップからあふれたそれは なにもいわずに下水溝へとながれていく
ぬれた掌をぬぐえば いやでもめにはいる
夏をおえるためのわたしの儀式 もうずいぶんむかしのことだ
椅子をひきよせ そのままつっぷせば あさがくる 雨だ きっと雨だ
じっとりとにじむあせ ごめんなさい そうことわってまたみずをのむ