ひざをつき、そのいきおいのまま、両腕でからだをささえる
こみあげてくるものばかりだ そしておしとどめることはできぬ
はげしい動悸できこえるのはおのれの心音だけだ
なにもきこえぬ だれのこえもきこえぬ
もちろん、なにもみえぬ みたいともおもえぬ みえるともおもわぬ
おのれの肉体にうらぎられようとしているのだ
ほかのものにかまういとまはない
むしろ、だれにも相手にされたくもない
こんなざまをみられるのはいやだ
ぼとりとおとがして、せまい視界のそこがぬれている
そしてまたひろがった
ち、あせ、もしくはなみだ
すきによべばいい
かぶりをふってたちあがらざるをえないのだ それがなんであろうとも