まどのそとからのぞいている 室外機のうえにのって
レースのカーテンのむこうから じっとこちらをみているのであった
あたたかい春のような日であった やすみの日 午後のはじまりである
のぞかれているわたしは食事の用意をしていたのではなかったか
そうでもなければここには用というものはない
その日以来、わたしの視線のすみで じっとこちらをみている
もしくはなきごえ わたしとちがって恋人はいるようだ
ボンネットのうえにいることはついぞなかった
あそこはあつい もしくは そこはつめたい
しかも退屈きわまりない場所なのだ
こんなことに言及したのはわけがある
とん とん ととん
軽快なおとをたてて 車体はふまれる
それがまるで日課でもあるかのように