こころのこりがあるんだ、
そのひとことをのこしてもときたみちをそのひとはひきかえす
ひとりっきりになったわたしはどうしたらいいのだろう
ぬけがらは、はばたいていってしまったむしののこりものだ
そのむしはかつてのじぶんをふりかえるだろうか
そんな行為を否定する そのために脱皮の痕跡があるのではないだろうか
そんなことをそこでかんがえる
過去 それがあるのは唯一、ひとだけではないだろうか
だからひとは変態しないのだ
そんなことをいまここでかんがえている
ところで、
うしろをふりむきもせずにかけだしていったそのひとの
わたしはこころのこりとなりうるのだろうか
さっきからずっとそのひとのことばかりをわたしはかんがえているのに