みるともなくながめていた
車窓 そこにうつるのは田園 まさにそれだ
みどりとあおの階調 そこにときおり朱や橙がまじる
なにもない そうおもう これまでも そして これからさきも
そこに くろいかげが不意におそう ほんの一瞬の出来事だ
ふりかえっても とっくにみえない みちはまっすぐで 加速するばかりなのだ
そのはやさとともに わすれさってしまえばいい
だってみえないのだもの だってここは2度とこないのだもの
でもずっとしこりとなってのこっている
不安とはそういうものだ
1点のようなちいさいもの それが次第におおきくなる
そして、わたしのうしろへとくろぐろと影をのばすのだ
どこまでも いつまでも