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詩『微熱:A Slight Fever』

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    もぐりこんだ蒲団のなかのそのさらになかにもぐりこむ
    くちのなかのあまずっぱさ うすくらがりのなかのにごったひとみ
    もういっぽうの腕でだきしめるききうでは あかの他人のもののようだ

    はいでて壁をみつめれば そこにおおくの顔がみえる
    むかしあったそのひと 物語のヒロイン いずれうらぎられるいやしいおとこ
    ただ一点だけをみているだけなのに きっといつかあうだろうそのひともいるのだろう

    上半身をもたげればおもく いやでもこうべはしたをむく
    しまりのない皮膚がそこにある
    こんなときこそ髪はじゃまなだけだ みずしらずのひとのようにふるまっている

    せまい部屋がとてもひろくかんじられて ようやくおめあての場所に到達する
    あけたとびらのなかの 白い壁の白い液体
    ひとくちのむつもりが おとがいをつたってむねまでとどく
    そしてそのあまったるさに辟易する

    やさしいのは したのさきにあたる体温計だけなのだ
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    詩『ドアーズ頌歌:Ode To The Doors』

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      JMに

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      詩『新生:New‐born』

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        その蜥蜴は傷ついていて その尾はとてもいびつだった
        なんどもなんどももげたのにちがいない
        彼はそうやっていきてきた

        もげたいくつもの尾はどうしたろうか
        みずからの役を任じそれに殉じたのだろうか
        それともきれたその先から新たな宿主を再生させたのだろうか

        傷口はあかくぬれ みるからにいたそうだ
        しかしそこにはめにみえぬ生への格闘がある
        最前線はつねに修羅場
        あまたの細胞がついえ あまたの細胞が誕生する

        その蜥蜴はねむそうな瞳をこちらにむけた
        そしてひゅるるんとながい舌をのばす
        彼の癖だ

        おのれのあずかりしらぬところで なにかがたえずおきているのだ

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        詩『薄明:Twilight』

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          さっきからなにもかわらない
          うすぼんやりとしたままだ
          こうしていれば 1日がおわる

          うずくまっていればいい あとはまつだけさ
          そうおそわった おしえてくれたやつはとっくにいない

          あめがふればいい それが潮時というものだ
          けだもののさけび それが発端であってもいい
          いや はらがへってもいいのか

          あさになれば さもなければ よるがおとずれれば
          口実はいくらでもつくれる
          へらずぐちをたたいてもいい

          予感だけがここにあり
          おきた火ばなをつぐ火だねこそがないのだから

          はるかむこう ずっととおくに ひかりがずっとそこにある
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          詩『赤あげて白あげて:Up The Red, Up The White』

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            めをとじるとひとりの女性がおどっている
            はるかとおくにあるしろい舞台だ

            だんだらの衣装 みじかいスカート そして腿まであるブーツ
            からだをふりしぼるおおきなうごきははげしい

            わたしには天井桟敷のような視点をあたえられているが
            みえるのはおどる彼女だけだ

            彼女の背後にはくろい男性ふたりがひかえ
            ながい2本のステイックをふりまわす

            音楽もきこえない 声もきこえない
            でも、彼女達はいつもおおきなくちをあけている

            わたしの足許には2本のステイックがある
            彼等のそれとおそらくおなじものだろう

            ものおじしている気配をつたえぬように
            一心不乱にわたしは彼等を注視しているのであった
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            詩『気配: A Sign Of Someone』

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              さっきから身をかたくしている
              背後にいるのだ

              夜、冬の夜、とてもさむい時間
              いくえにもかさねた毛布をひっかぶって
              それでもさむさにふるえている

              街の喧騒ももうきこえない
              学生たちは帰省し 恋人たちはふたりっきりのとき
              ねしずまった夜のむこうでなにかがうごめいている

              よるのとばり この比喩はおかしい
              まるでなにかがはじまるかのようではないか

              あと数時間はこのままだ
              それとも永久に
              時計の音だけは律儀にこだましている
              それだけがたよりだ
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              詩『晩秋:Here He Comes』

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                こがねのみちをふみしだく音がきこえ
                あのひとがやってくる

                わたしが背にした噴水は もう
                今年の役目をおえている

                あおいそらにしろいくも
                こども達の嬌声
                ここではなにかに追われるきづかいはない

                おおきな音をたててまたひとつ
                ひこうき雲がのびてゆく
                きっととおくへ とおくへといくのだ

                そしておもう
                このひとにあうのは もうこれっきりなのだと

                やってくる冬のむこうにも なにかを
                もとめ のぞむべきなのだろうか
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                詩『孤独:So Lonely』

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                  その日、夏の浜辺で砂山をつくっていた
                  材料はいくらでもある とても満足のいくものができた
                  そして、その山のいただきにひろった小枝をたてたのだった

                  じゃんけんをして、じゅんばんをきめて、山から砂をけずる
                  いつもみんなでしていた
                  でもそのときはたったのひとり

                  やることはいつもおなじだ
                  おおきなかたまりから異物をとりのぞく
                  ひとおもいに それとも 注意ぶかく
                  判断はそのとき そのひと次第だ

                  そうして、きわだったがけっぷちのいただきに
                  その小枝はたっている
                  夏のゆうぐれ
                  ふく風の そのむきがかわる
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                  詩『冬の雨にとりがなく:A Bird Twittering Under Winter Rain』

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                    まどのそとはくらいあめ
                    どこかでとりのさえずりがきこえる

                    単調な雨音にさからうように
                    とりのこえ
                    しかし、それもまた単純なくりかえし

                    いっかなやもうともしない空のした
                    いつまでもいつまでもないている

                    きっとだれかがどこかで褒めたのだろう
                    そしてそれだけを口実にしてさえずっている

                    おろかだ

                    晴れていれば石もて追うだろう
                    しかし、これもきっとそのとりとおなじ
                    無意味で無邪気なさえずりなのだ

                    わかっている
                    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:02 * comments(0) * trackbacks(0) * -

                    詩『くちづたえ:Orally』

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                      わたしのめのまえでそのひとはよんだ
                      数日前に、そのひとにたくした文章だ
                      書いたのはたしかにわたしだが、それはもうわたしのものではない

                      そのひとはふしぎなふしまわしでよむ
                      まるでよく知られた童謡が最新の話題曲のようにひびく
                      それほどちがう

                      よみおえたそのひとは真顔をこちらにむける
                      否定も肯定もしないかわりに
                      その一節をくりかえす
                      もちろん、わたし自身の抑揚で

                      そしてわたしは退席した

                      自室のわたしはピアノでくりかえす
                      そのひとのよんださきほどの文章を
                      うたはこうしてうまれるのだ
                      るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -
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