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詩『スマホ: A Cell』

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    視界のむこうにそれはある
    はくぎんいろの四辺形だ
    ひずんでみえるのはそれ自身のせいじゃない
    みつめるわたし自身がゆがんでいるからだ

    けぎらうふりをしてみせるのは正鵠をいようとしてばかりいるからだ
    さもなければ、正論しかかたろうとしていないから
    でもそれはそれ自身のせいでもない
    だからといってわたしがねじけているともいいたくない

    かつてはわたしがかたりたいだけかたる それだけだった
    わたしのみたいもの わたしのききたいもの わたしがせっしていたいもの
    それだけに掌がとどく そしてそれで充分なのだ いまでもそうおもっている

    たとえ信頼をおくにたるものであっても いつかどこかでうらぎりがはじまる
    そのひとはそういった

    こいつもそんな婢女のひとりだ
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    詩『拉麺(袋入):Instant Noodles Cooking』

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      なべにいれた適量の水がわくまでのあいだのあれやこれや
      トッピングする食材やおはし、調味料などなどなど
      そんなことをしていても沸騰するまでにはすこし時間がある
      いや、準備しているそのときだって

      かんがえていることは些事の些事だ
      めんどくさいことやいやなことはあとまわし
      そんなにひまなわけでもない
      でも、こうやってなべのそこで対流がはじまっているあいだに去来するのは
      あんなことやこんなことばかりだ

      あのときのそのことばとそのさいの態度、表情
      後悔もしないしうらみもしないけど きがかりといえばきがかりだ
      だってそれはわたしの真意じゃあないから
      たぶんあのひとも本心からではないだろう

      休日はいつもそうやってはじまる 陽ののぼりきった おそいあさ
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      詩『パネル:Panels』

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        罫線がいくつも直行していればそれは将棋盤
        くろしろにぬりわけてあればチェス・ボード
        碁盤ってどういうのだっけ?

        わたしの足許にあるのは微妙な多角形であって
        しきつねられたそれらは、しかもうねうねとどこまでもつづく
        それはここが水平ではない証拠 将棋もチェスもできない場所
        つまりわたしはアリスでもない

        もしも多角形がまじわる交点から芽ばえていれば
        いつかここは森になる
        でも、それまでわたしはまっていられるだろうか

        陽がのぼれば朝なのだろうし
        風がふけばわたりどりもまうかもしれない
        しかし、さっきからずっと薄明なままなのであった

        そんな場所におきざりにしたあなたに だから問う
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        詩『あかいあかり:Red Lights』

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          くらいなかにずっとあかりがともっている
          あかくちいさく等間隔にはなれたそれら
          そしてそれらがわたしたちをいざなっている

          いざなってはいるがしかし、それらがうごくことはない
          わたしたちもさっきからずっとここにとじこめられている
          わたしたちにあるのはきがかりと憶測だ
          たしかなものはなにもない

          街をすて街からにげよう だれもがそうおもい
          そのおもいだけがここにある
          もう、すべてはうしなわれてしまったのだ、きっと

          街にむかうものはいない
          のこされたひとびとをだれももうたすけられないのだ

          このままじっとしていれば、ここもその二の舞だ
          あせりが次第に不安をかりたて そこからうまれたものが破滅、いな破壊をもよぶ
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          詩『円環:A Life On A Circle』

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            おわりもなければはじまりもない
            わたしのめのまえにあるのは
            純粋な円の軌道上を周回するちっぽけな光点なのだ

            その光点はじつはいくつものめにみえない軌道上にあるという
            そういってそのひとは、そのうちのひとつをあきらかにする
            ふたつのことなる円がせっし、その接点に光点がある
            ひじょうにかぼそいはちのじがみえる

            わたしにははちのじを構成するふたつの円が回転しているようにみえるがそうではない
            うごいているのは光点なのだとそのひとはかたる

            円をなす軌道はいくひゃくもいくせんも実際にありその結果、光点の属性がさだまる
            ねぇ、なにかににていないかい? 微笑んだのはそのひとだ

            かれのその問いにこたえるのはおそらくかんたんだ
            そして、かれはそれをほっしてもいる

            でもそれを、めのまえにある軌道上の光点とむすびつけられないわたしであった
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            詩『雪: Snow』

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              どこへいこう
              どこへいこうとしているのか

              いきあぐねたちつくしているひとびとを背に
              その一歩をふみだしたとたんに かいもくわからなくなる
              しかもふりむけばさっきまでいたかれらはそこにはいない

              なにかをみうしない
              そしてみうしなったことすらもわすれてしまう
              そこはしろい銀世界

              めのまえに2本 わが腕をかざし その腕のいざなうがままにあゆめばいいのか
              それとも
              孤独にたえるふりをして ひっそりと頬をぬらせばいいのか

              風だけが背をおし それをしんずることもけっしてできなくもない
              だが
              わたしのめのまえにはおおきく しろいうずがさかまいているのだ
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              詩『忘却:For Forgetting』

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                なにもかもわすれてしまうこと
                よかったことも わるかったことも
                うれしかったことも かなしかったことも
                ありとあらゆるすべて それまでのすべてを一切わすれてしまうこと

                でも それでおわるわけではない
                だから そこからはじまるわけでもない
                原点回帰でもないし 債務相殺というわけでもない

                むしろ負債だけがのこっている
                そしてその負債をおのれに都合よく - そう、わすれてしまったのだ
                わずかばかりの資産はのこっているのかもしれない
                しかしそんな資産も金輪際活用することもできはしない - だって、わすれてしまったのだから

                ただここにたちすくんで これからおこるだろうことに身悶える
                予感と不安にばかりさいなまれるのはけっしてはじめての体験ではない
                だが、それすらもわたしはわすれてしまっているのだ
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                詩『児童公園:At A Children's Park』

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                  毎日かようみちぞいにそれはある
                  花々と石垣にかこわれた階段をとんとんとのぼったそのさきだ
                  はれた日はさらにはれがましく
                  あめの日はさらにさびしげに
                  わたしのかようみちをいろどっている

                  だけれどもふしぎなことにそこにだれかがいたためしはない
                  主役はおろか脇役すらも

                  たまたまそんな時間なんだろう あなたはそういう
                  あさとゆう、たしかにわたしがそこをとおる時間はきまっている
                  だけれども

                  四季おりおりで彩られる庭は なぜかこばむものがある
                  わたしたちをじっとそこでうかがっているのだ
                  それゆえに だれもふれない遊具のかずかずはいつでも
                  そこにもうけられた当時のまま 原色をほこっているのだ
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                  詩『をくれげ:Her Stray Hair』

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                    ゆれる電車のつりかわをにぎるそのひとの
                    みえない表情のかわりにみえるのは
                    ほそくてながいくろい一条だった

                    それがそのひとのすべてをぼくにおしえてくれるようで
                    それがそのひとのそれいがいをぼくにこばんでいるようで
                    のるひとのすくないその車輌のゆれるつりかわのような
                    そんなこころもちをいだかせるのであった

                    そのひとよりもさきにおりる駅がくるならば
                    ぐるりととおりすぎるそのときに
                    そのひとの真意をしりえただろうか

                    おおきなおとをたてて電車はみぎへとかたむく

                    さっきまでそのひとのにぎっていたつりかわをながめながら
                    ぼくは終着駅までひとり その車輌にすわっているのだった
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                    詩『うしろかみ:A Fairy Behind You』

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                      いちど決意したそのひとはもう わたしのことなどかえりみないだろう
                      わたしがなにをするのでもない
                      わたしになにができるのでもない
                      でもわたしはずっとそのひとをみていたのだ

                      たちどまらざるをえないとき
                      慎重にならざるをえないとき
                      はじめてそのひとはわたしにきづくだろう
                      そしてふりかえるのだ

                      ためいきをひといきつくのかもしれない
                      ためらいという文字をおもいおこすかもしれない

                      わたしのうしろには不安も後悔もひかえている
                      かれらの存在にもそのひとはきづくのであろうか
                      でも わたしにはなにもこたえられない
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